バス停にて

ダウンタウンでの野球の試合は市バスで観に行った。そのバスというのは車を持つのが当たり前のIndianapolisにあって主に低所得の人の交通手段となっている。バスの中やバス停では普段の生活とは別世界だ。なつかしい感じであり寂しい感じであった。そして、正直、おっかない見た目の人たちに少しビビってしまった。アメリカに来たばかりの頃はこのバスを毎日利用していて、それが日常だった時期があった。にもかかわらず・・・だ。だれかが、「貴様はいつもぬるま湯につかった快適な生活をしているんだ」とささやくようだ。


夜の忙しいバス停でバスを待つ間、たくさんの人が話しかけてくる。お金をめぐんでくれ、とせびられるのだ。むろん、お金がない(あるけど)と断る。


ある人はバスで帰るお金がないので困っているという。バスで帰るというのに、バス代($1.75)がいくらなのかも知らなければ、住んでる家に帰るわけではなく、友達か誰かの家に泊まろうとしている人だ。おれが$2札を握っているのに気づき、その人は$1札を75セントのコインと交換してくれないか、と頼んできた。$1が75セントになっても自分は損をするわけではない(バスでお釣りがこない)ので、"ok"といって交換した。たった25セントの儲けなのにすごく感謝されたが、それが逆に寂しい感じ。

  • 今週の言葉: "That will help me a lot. Thanks to you."

「だいぶ助かるよ。ありがとう。」