ゴジラ (1954)

大学の映画館でやっていたため、1954年公開のオリジナルの「ゴジラ」を鑑賞。ネットでの評価は高く、外国でもたくさんのファンがいる作品。英語字幕でたくさんの年配のお客さんがいた。

話としては、あまり好きにはなれなかった。ただ、映画の撮影技術を向上させた映画としてみると、たしかにすごい映画だ。CGなどまだなかった時代。ゴジラが街を破壊するシーンでは、精巧な模型でできた街を使い、実際にこわして燃やしている。ところどころフィルムを重ねたり工夫して特殊効果をだしている。そして、伊福部昭の美しい音楽を採用した意図的なミスマッチ感がよかった。

この作品にはアメリカへの抗議の意味が含まれている。戦後、間もない1954年。その年の3月にビキニ環礁で水爆実験があり第五福竜丸の乗組員、そしてまわりの島民たちが被爆。反米、反戦への気運が高まっていた時期だ。そして、この映画でのゴジラは、水爆実験により海底の住処を失って地上に表れた生物として描かれている。アメリカにだいぶ遠慮もしたのだろうか、だいぶ遠回しだが、その時代にできる限りの抗議で、そこが今でも評価されている理由の一つみたいだ。