Les Miserables

ブロードウェーミュージカル」を元に「ミュージカル映画」化。おもしろい!

一般に高い評価を受けているこの作品は、ひとそれぞれによって、好きな場面、気に食わない場面が違うようだ。たとえば、役者の歌唱力に注目する人が多いが、自分としては音楽とストーリーと映像が均等にバランス良いのがすきなので音楽の面は十分すぎると感じた。以下、個人的な感想。

はじめはミュージカル映画なんて「Sound of Music」ぐらいしか観たことないので、歌いながらの会話に違和感があった。やがて慣れてくると不思議と気にならなくなった。「The Artist」が白黒・無声映画なのと同じく、「Les Miserables」はミュージカル映画という斬新さがある。

この映画には「Compassion(思いやり、良心)の連鎖」をテーマにした物語だと思う。Compassionは司教からValjeanに、Valjeanから悪役のJavertや娘夫婦に受け継がれる。すこしValjeanから娘夫婦に受け継がれる場面の描写が弱いと思う。娘のコゼットはいい人なのかいまいち分からない。ただ描写がくどくなってしまうので、この曖昧さかげんが自然な感じもする。

そして、一番好きな場面は、六月暴動前夜、若者は革命へ向け心を躍らせ、女たちは恋する人の無事や結ばれることを祈り、色々な人の熱い想いがきれいな歌にのせ、運命の時に向かって交錯していく所だ。ここが映画のクライマックスで人々のロマンがある。

個人的にすごく気に入った映画だ。