リスとヤガモ

土曜の朝、車でアパートの近くの交通量の少ない道を運転していると、めずらしい光景にでくわした。

でかいヤガモの家族が道を横断していて、その中になぜかリスが一匹まぎれこんでいる!おくびょうなリスは他の動物と仲良くする所はみたことない。なので何かがおかしいとおもっていると、それがなんなのか気づいた。よくみてみると、このリスの頭がヨーグルトの容器すっぽりはまっていた。そのせいで、まったく前が見えてないキケンな状態だ。だからかヤガモにまぎれこんでいたのだろう。

自分は急いでいたので、リスをひかないようにそっと横を通ろうとするがリスは道路をうろうろしてよけない。これはあぶないと思い、すぐに車を降りてリスに並木があるほうへいってもらおうとするが、それでもなかなか行ってくれない。おどろかせたら、あばれてどっかにはまったり、川におちてしまいそうなので刺激しないようにする。

そうすると、まずいことに、車が一台やってきた。リスがびっくりして車の方に行ってしまわないことを願うばかりだった。…で、なんとかリスは大人しくしていてくれ、車は通り過ぎた。

次、車がきたらどうなるかわからないので、これは短期戦にすることにした。意を決して手袋をはめて、おどろかせてはいけないので小さく音をたてながら近づく。そっと、顔面がすっぽり入った容器に手をのばす。そうすると簡単に容器がつかめた。

容器を取ろうと引っ張るが、かなりがっしりとはまっていて全く取れない。引っ張っても、リスは大人しくしている。もしかすると怪我かなにかで、だいぶ弱っているのだろうか。事態はしんこくかも…。

あきらめずに、容器を左右にねじっていく。すると、少しずつ取れていく感じがする。リスは何を考えているのか、この間じっと我慢して大人しくしている。さらにねじりながら引っ張っていくと「すぽっ」と音を立てて抜けた!!リスの顔が現れた。

一瞬、おれの顔をみると、おどろいて猛スピードで道路をかけ抜けて、木に登って行った。リスが元気で安心したが、一目散に逃げてしまってこっちがあっけに取られた。あんなに大人しかったのはなんだったのか。真っ暗な世界から、いきなり人間が目の前に現れるのだから仕方ないか。

ほかに思ったのは、ヨーグルトの容器は人間がつくったものであり、遠回しにいえば自分たちが原因を作っている。ウミガメがビニール袋でいきがつまったりするのと一緒で、申し訳ない気持ちにもなった。。

というわけで、リスを助けた後、気持ちよくボクシングジムにいった。